トヨタ

今日は全体プロジェクト会議。200人をスシ詰めで2時間監禁するという、この忙しいのにムカつく会議だが、全体P会議の日は作業は定時で強制終了になるので、楽と言えば楽。


いつもは退屈で眠りそうな会議だが、今日はなかなか興味深い話を聞けた。


なんでも、元トヨタの取締役を顧問に呼んで、マネージャ様達が研修中とのことで、その経過報告だった。


噂に聞くトヨタのカイゼン、やはりすごいらしい。
トヨタのカイゼンは世界的に有名で、それ系の本は腐るほど世に出ているし、しょっちゅうテレビ番組にもなるが、そういうメディアに載ってくる出涸らしの無難なのとは違って、生カイゼンはマジにすごいらしい。僕の10倍は頭良いであろうマネージャ軍団がひぃひぃ言わされているそうだ、70超えた爺いの元トヨタ役員に。


全体会議ではそんな突っ込んだ生々しいとこまでは公開はされないが、さわりを聞くだけでも凄さが伝わった。


あの有名なジャスト・イン・タイム生産。あれはスループットを増やすのではなく、減らすためのものらしい。


必要な時に必要な物が必要なだけあるというのがJITの真髄だが、それは単純に在庫リスクを減らすということではなく、何が最適なのかを上流から下流までの全ての構成員が情報を共有するという意味なんだそうだ。


カイゼンして生産性を上げようとすると、各部署それぞれに努力して、自分のところの成果を上げようと頑張るが、そうすると各部に余分なスループットが発生してしまい、それが全体ではむしろマイナス要因になり、在庫リスクや生産性の悪化に繋がるとのことだった。


普通に考えれば、みんなが自分の持ち場でベストを尽くせば良いという考えになるものだが、全体を考えて余計なことはするなというのもカイゼンに入っているというのが尋常ではないところだ。


でも半端な知識やモチベーションの組織でそれをやったら、サボタージュやブラ下がりや責任のなすりつけ合いが発生してダメダメになるだろう。
全体のために敢えて自分のところの生産(儲け)を減らして、それでなお組織としてのモチベーションとモラルを失わないという、One for All, All for One の理想型だ。


まぁしかしそれは理想が高過ぎて、理解して実践出来る管理職は少ないだろう。カンバン方式は下請けイジメと陰口叩かれるように、高度な情報連携についていけない部署が出てくると、全体も台無しになりそうだ。


それをやれるトヨタってのは本当にすごい企業だね。


それだけ凄まじい情報連携力を持つ巨大メーカーがあるのが日本なのに、日本のIT産業は世界ではミソっカス扱いで、グダグダのデスマーチばっかりやってるというのは、なんとも胡散臭く政治臭がするところだ。


カイゼンについても、とにかく細かい異常を拾うことを恐れるな。問題を報告してくる部下を、周囲にも判るように明示的に賞賛しろと言っている。


なんかそれって、空気読むとか、華麗にスルーとか、可能な限り現状維持といった最近の日本で良いとされる行動様式と真逆なので、トヨタって日本人じゃないんじゃないか? という気もしてくる。